暑い日が増えておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
ま〜た更新が開いちゃったね。
元気だけどね、余力はないのよ。はは…。
私の住む地域では、ちらほらとセミの声が聞こえるようになって来ました。
いよいよ”セミシーズン”が迫ってきましたね。
セミを愛する長男は、その後も図書館に出向いては気になるセミ本を読み漁り(読み聞かせるのは主に私)、折り紙のセミをせっせと量産する日々(箱を用意して保管管理しているのは私)。
オフシーズンの間も、彼は粛々とセミライフを送ってきました。
今回のアイキャッチも長男作の折り紙セミ。ちょっとバージョンアップして、お顔があるんですよ。
紫の子は裏にもお顔が書いてあって、ママのお顔なんだよ。
(自慢です)
私ののろけはともかく、セミの季節を楽しみにしてきた我が家。
本格的なシーズン突入を前に、各種セミが現れる時期の確認や行ってみたい雑木林のピックアップなど、〝セミ支度〟に入りました。
本稿ではその一環として、今年注目のセミのご紹介とお気に入りのセミ本について語ります。
お時間と昆虫に対してお心に余裕のある方は、お付き合い頂けますと幸いです。
目次
セミ支度①2021年注目のセミ。17年ゼミって知ってる?
注目のセミとは、ズバリ「17年ゼミ」のこと。
素数ゼミのなかでも、群を抜いて有名なセミでのでご存知の方も多いですよね。
ざっくりご紹介しますと、「17年間もずっと地中で過ごし、みんなで同時に地中に現れるセミ」です。
なんて雑な説明…。
セミは幼虫の期間を地中で過ごし、羽化のタイミングで地上に現れます。
セミの種類によっては、幼虫期間に個体差があり、同じ年生まれの卵でも成虫になる年はバラつきがあるんだとか。
ところがこの17年ゼミ、同種で同じ年に一斉に成虫になるんです。
それって17年に一度、わっさわっさと地上に出てくるってこと?
そう!それが今年に当たるというから、世界中が注目しているんだよ。
現地北米では既に羽化が始まっていて、ちょうど6月がピークなんだとか。
地中にいる年数もすごいけど、量もかなりのインパクトなの。
同じ種のセミ達がタイミングを合わせて同じ場所に姿を表すので、それはもう局地的な大発生。
とにかく量!量!量!
最終的には、数十億匹に達する予想だそう。
1本の樹の根本から幹までが、セミ同士、押すな押すなの芋洗状態。セミがセミをかき分けてるのなんて、見たことないよね。
日本のセミは単独行動のイメージかも。抜け殻を見つけるときも一匹ずつだから、セミ同士でも違うもんだね~。
17年ゼミが「17年」のワケ
今更だけど、素数ゼミっていうのは、なんなの?
羽化周期の年数が素数であるセミのことだよ。周期ゼミという呼び方もあって、他には13年ゼミもいるんだって。
ミンミンゼミの幼虫が、地中で過ごす期間は1〜2年ほど。となると17年ゼミは、セミの中でも特別長い期間を地中で幼虫として過ごすようです。
もちろん、戯れに20年近くも地中にいるわけではありません。ちゃぁんと、理由があるのです。
その理由が気になる方は、是非こちらの記事をご覧ください。
[17年周期、13年周期で大発生!! 「素数ゼミ」の謎を日本の研究者が解明した!!]
種の保存への執念と、数字のトリックに胸が熱くなるよね!
17年ゼミを知るきっかけとなったドキュメンタリー
たまたま視聴したドキュメンタリーをきっかけに、17年ゼミを知った私。
17年ゼミどころか、セミに全く関心の無かった私でも最後まで見入ってしまったほど、興味深く面白い内容でした。
確かこのドキュメンタリーだったかと。昆虫が苦手な方には無理にお勧めできませんが、ある種の方々にはきっと刺さる内容なんじゃないかと。
17年ゼミは日本のセミより小柄ですが、かなり攻めたデザインをしています!量も本当に凄いので、昆虫・集合体が苦手な方は注意してね。
キャッチーなお名前に惹かれて視聴し始めた私でしたが、すぐにそのパワフルなセミ達の姿にくぎ付けになります。
十数年に一度の命の大発生。
時間と命をぎゅーーーっと凝縮したエネルギーの塊のようなセミ達は、猛烈に印象に残りました。
以降私は、セミを目撃する度に「17」という数字がチラつくようになってしまったのです。
だからね。17年ゼミの次の羽化周期はいつかって、夏が来る度にずっと意識してきたの。あー!今頃羽化してると思うとたまらないっ。
今シーズン、17年ぶりに現れた彼等のことを遠い日本より思ってみるのも、楽しみかと思います。
セミ支度②親子でセミを知ろう。大人気絵本作家によるセミ本のご紹介
17年ゼミ、すごいけど…私にはちょっと…と思う人もいるよね。
確かに非常にアツい存在の17年ゼミですが、残念ながら遠い存在に感じる点も否めません。
種の保存とか氷河期とか壮大なことじゃなくて、もっと大衆的にセミと親しみたい。外セミより内のセミ。
背伸びしないで等身大の自分でセミを愛でていたいのよというお気持ち、わかります。
では、ジャパン・セミ界のキング・オブ・ポップス、ミンミンゼミのお話しはいかがでしょうか?
親子で出来る平和なセミ支度として、可愛い絵本のご紹介です。
のらねこぐんだんシリーズでお馴染み、工藤ノリコ先生による作品だよ。
ポップな見た目もさることながら、ストーリーも微笑ましいもの。
地上を目指すセミくんと、彼を大歓迎してくれる地上の虫たちとの友情。
ね、とっても平和でしょ。
なんですが!
ここにも熱い涙が込み上げる場面があるのですよ。
ポップとシリアスのベストバランス。[せみくん いよいよこんやです]
それは、セミくんが地中の自室に別れを告げるシーン。
地中で生活してきたセミくんが、いよいよ地上目指して出発します。
少ないセリフと引き締まった表情から感じるセミくんの覚悟。
地上は、これまでの生活からは考えられないような環境でしょう。そもそも無事に地上に出られる保証なんてないのです。羽化だって成功するかわからない。地上への憧れだけでは拭えない不安がいっぱいです。
てかさ。セミくん、幼虫じゃん!まだ赤ちゃんなんだよ。そんなに頑張らなくったっていいんだよ。
そう。まだ赤ちゃんのセミくんが、生き物としての使命感を胸に地上を目指す。
決意に燃える健気な瞳を見ていると、こっちから地面に穴掘って迎えに行きたい衝動に駆られます!
このおしゃぶりっ子のbabyちゃんを(セミくん、ほんとにおしゃぶり吸ってます)!
しかしそれをしてはいけないのが、自然の厳しさよ。
(絵本なんだけどな)
読み聞かせの度、私はこの場面で涙が出そうになるのですが、子ども達も真剣にセミくんを見つめています。
因みに長男、この絵本を通して『抜け殻』がなんなのかを理解しました。
ポップなタッチと、登場人物にただの1人も悪役がいない設定。
安心して読める内容ながら、自然の中で生きることの緊張感も得られる。
読後は、セミを見かけると思わず労いの言葉をかけたくなってしまう絵本。
以前よりももう一歩、気持ちだけでもセミと親しみたい方にお勧めの絵本です。
セミくんの「生きてるって嬉しいな」っていうセリフもね…くるのよね。
2021年。セミシーズン到来が楽しみですね!
ここまで”セミ支度”として、特別なセミ「17年ゼミ」、そして親子で楽しめるセミ本をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
この夏、異国のセミを思うきっかけになったり、身近なセミのことも新しい目線で見るきっかけになると幸いです。
皆さまのセミシーズンが良いものとなりますように!
6月も後半になり、17年ゼミの件は掲載するのをやめようかと思った本稿。
でも、17年に一度の新しい命が生まれていると思うと、応援の気持ちも込めて掲載することにしました。
彼等が再び地上に現れる時、是非夫婦で現地に赴けると良いなと思います。
エネルギッシュな光景を前に、子供たちとの17年間を振り返れたら。
「あの時、あの子達は4歳と2歳だったよね」と2人で語りあえたら、素敵ですね。
本日も、最後までご覧いただきありがとうございました。