こんにちは、てるこまです。
切迫早産で入院した私が、出産に至るまでの経緯を連載形式で記録しています。
出産の記録はこちらから読めます。
抜去は早朝。夫もその瞬間を見守る
さて、先生との面談後、クリスマス・大晦日・三ヶ日を無事に病室で過ごし、ついについに、抜去予定日である1月4日を迎えました。
『入院を継続している』イコール無事だということ。
これ、切迫妊婦あるあるですwww
年末には36週・10ヶ月に突入し、その瞬間から血管が急激に衰えるという、身体の限界をまざまざと見せつけられる事態が起こり、怒涛の1日毎の刺し替え。
そんなこんなで、詰まりまくりの血管が逆に功を成し(?)、目標であった4日まで余裕で点滴バッグが保ちました。
このバッグが空になったら追加はありません。本当に本当にこれが最後の投薬。
この2ヶ月間、苦楽を共にし、お腹の我が子のために投薬をコントロールしてくれた点滴ポンプとも、もうお別れです。
点滴バッグの中身が空になるのは、朝の6時頃だろうという予想。
夫も外す瞬間に立ち会うことを希望し、出勤前に病室に寄ってくれました。
投薬を止めた後に考えられる事態
このブログでも何度か登場していますが、『リトドリン』という薬を投与していました。
この薬はいわゆる『張り止め』で、子宮の筋肉を緩める効果があり、生産期を前にお腹が張ってしまう妊婦さんに対して処方されることの多い薬です。
お腹の張りは陣痛に繋がる可能性があるので、この薬の効果を以てして、生産期前に陣痛が起こることを防ぎます。
私は、より血中濃度が高まる点滴という形で、2ヶ月間この薬を投与し続け、張ることはあっても、何とか生産期まで妊娠継続することができました。
そこで、気になることがあります。
薬で抑えているなら、点滴外したら陣痛が起きちゃうんじゃないの?
実際、『張り返し』と呼ばれている現象があります。
それまで薬で押さえていたお腹の張りが、薬の効果が切れることで抑えがなくなり、一気に張る→陣痛発生・出産というケースです。
入院先の看護師さんは『無理矢理なダイエットによる大規模なリバウンド』と表現していました。
一般的に、外した直後は薬の血中濃度が高いので、陣痛が起こる可能性は低いと言われています。
それは逆にいえば、血中濃度が下がり切る6時間後こそが、陣痛発生を覚悟しなければならないということでもあります。
切迫妊婦にとって点滴抜去は、正に運命の分かれ道となる一大イベントです。
ついに抜去…!!!
点滴を外したのは、血管の詰まりによるタイムラグのお蔭で結局、朝の7時半となりました。
夜勤の担当看護師さんが外してくれたのですが、この方がとっても患者目線の方というか、寄り添ってくれるというか、励まし上手というか。
うん。正直に言ってとっても仰々しい方で、もう覚えているくらいなのですが、
『てるこまさん、旦那様。今日まで本当によく頑張りましたね。
里帰り出産の診断書を受け取りに行った病院で、そのまま転院・入院となり、早2ヶ月。
家族も離れ離れになり、クリスマスやお正月といったイベントも見知らぬ土地の病院で過ごされ…入院中には、初めての結婚記念日もあったそうですね。
よくぞ今日の日を迎えられました。これはお2人の力以外、何ものでもありません。
点滴を外した後のことはまだ誰にも分りません。
どんな結果になっても、今のお二人ならしっかりと対応することができます。
もちろん、病院のスタッフ一同、全力でサポートします。』
ていう、熱いメッセージが、抜去前にありました。
もう、なんというか、卒業式か結婚式かっていうくらいの盛り上がりよう。
こんな風に思われて、応援してもらって、労ってもらってありがたい。
ありがたいんですけど。
点滴外すだけだからさ。
私もここまでこんな風に書いておいて何だけど、まだ何も産んでないからさ。
冷静になれば、単に点滴外しても大丈夫になったから外すだけなのに、クライマックス感がすごかったです。
でも、当事者(私と夫)は、この看護師さんの熱い言葉にすっかり陶酔して、ちょっとうるっときました。
思わずケーキに入刀してしまいそうな空気感でした。産んでないけどね。
こうして仰々しいナレーションと共に、最後の一滴まで落としきった点滴は外され、お世話になったポンプはナースステーションへと回収されていきました。
ありがとう、ポンプ。
2ヶ月もこの子を守ってくれてありがとう。
歩く時は全体重を支えてくれて、ありがとう。
また会う日まで、元気でやってみるよ。
そしてお世話になったポンプが去り、夫も出勤し、病室に残った私。
点滴の針も、私の腕に残されたままでした。
看護師さん:『万が一、もしもの時のために!!!お守りとして、針は残しておきましょう』(フラグ)
次回、いよいよ母ひでこと私の天敵の登場です。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント