【切迫早産管理入院出産編12】夫の反応と妊娠期間への振り返り

切迫早産管理入院体験記

こんにちは、てるこまです。

切迫早産で入院した私が、出産に至るまでの経緯を連載形式で記録しています。

 

出産の記録はこちらから読めます。

念願の対面!分娩室でのパパと息子

ひでこが去り、息子と2人きりの時間を過ごしていると、私の中で夫に会いたい気持ちが湧いてきました。とにかく、息子を見て欲しかった。静まり返った分娩室で、息子のみぃみぃという儚い声が聞こえる度、「早く我が子を父親にも見て欲しい!」という思いが膨らんでいきました。

この時の私を親バカ以外のなんと表現できたことでしょう。可愛いを通り越して、息子を誇らしいとさえ思っちゃった程なんですから。

「こんなに小さい身体で、一生懸命産まれてきたよ!頑張って産まれてきたんだよ!早くパパにも見て欲しい!!」

夫が息子をはじめて見た時に、どんな顔をするのかものすごく楽しみでなりませんでした。(きっと大喜びに違いない!)

実際、分娩室に辿り着いた時の夫は、言葉にならない…といった表情。まずまずの反応でしょうか。(なに様)

夫はまず、私の側に来て

「ありがとう。頑張ったね。」

と、繰り返し感謝の気持ちを伝えてくれました。そして私が促した後、緊張した面持ちで息子を見に行きました。(後で聞きましたが、私の許可を得てから息子のそばに行こうと思っていたらしい。そういうとこ素敵。)

笑顔とか泣き顔とか、色々予想していたのですが、結局、彼の行動は私の予想を外れて「無言で見つめ続ける」というものでした。

まるで、見ていることが息子本人にばれないように…とでも言うのでしょうか。

身長185センチ程ある夫が、身を屈めて近すぎず遠すぎずな距離を保ち、息を潜めて見つめている様子は、期間限定特別展示されている国宝を閲覧している人を彷彿とさせました。例え視線といえども、最新の注意を払わねばならない、といった様子。

ひとしきり息子を眺めた彼は、私の側にまた来て「可愛い」と報告し、そしてまた息子を見に行き、戻ってきては「肩の毛がふさふさだね」と私に報告。

息子の側では決して声を発せず「国宝を閲覧し、その様子を逐一伝言してくれる人」と化す夫。

「本人に直接言えば良ろし」と思いながら、予想と違った初対面の時間は、粛々と流れていくのでした。

出産直後。私の気持ちと夫の感想

小さい赤ちゃんである息子が、とてつもなく繊細な存在に見えたということもあるでしょう。しかしながら、落ち着いて考えると、これはこれで非常に夫らしい初対面なのでした。

要は身体の中で感動が渦巻いていても、それがだだ漏れになる人ではないのです。多分、立会い出産をしていたとしても、本人の性格を考えれば目に見えるような愛情大爆発!というのは無かったと思います。でも、喜びや感動、長い入院を経てここまで来れたことへの労いは、お互い十分に共有できたかなと感じています。

号泣するでもなく、満面の笑顔になるでもない。淡々とした時間だったけど、喜びに溢れた時間でした。

ところで、しばらく後に夫に、あの時はじめにどう思った?と聞いてみたところ、

「分娩室に入ったら、てるこまちゃんの腕の穴だらけで血だらけで怖かった」

とのこと。

感動の渦に飲まれていたんじゃないのかい。

それから、すごくどうでもいいことですが、これも書いておきます。

安静が解除され、恐怖&激痛の産後初のお手洗いを済ませて自分のベッドに戻った時のこと。夜ご飯が配膳されてきたのですが、疲労困憊からか食べたいと思えませんでした。

その時、あの黒豆が視界にはいりました。ひでこ自慢の黒豆です。不思議なことに、黒豆と栗きんとんだけは食べることができたのです。五臓六腑に染み渡るとはこのこと。この時感じた、糖分が身体の疲れをみるみる癒していく感覚は生涯忘れないでしょう。

毎年お正月に黒豆と栗きんとんを見ると、ついつい出産を回顧してしまう私なのでした。

切迫早産の入院を経ての出産。振り返って思うこと

初めての妊娠で、緊急搬送・転院。入院も点滴も初めてで、全く縁もゆかりもない土地での孤独。我ながら盛りだくさん過ぎやしないかと思ってしまいます。

入院生活は孤独と不安から卑屈になったり、昨今の「妊娠中でもワタシらしいマタニティライフを送ろう!」的な思想にコンプレックスを抱いたことも。

私のブログを読んでくださっている方の中には、今現在切迫早産で入院していたり、自宅安静の指示が出ている方もいることと思います。

辛いですよね。特に、体調の自覚がない方にはなおのことかと。

したかったことや行きたい場所、会いたかった人とか、ほとんど叶わず、元気に動き回っている妊婦さんがたくさんいる中で、なんで私ばっかり。私だって。って思っていました、私。

お腹の子の為、産んでからの方が大変…という声を受け入れられないこともありました。そんな正論が嫌になり「今、私が辛いんだもん。」と思ったこともあります。

別に悲劇に浸りたいわけではありません。私自身、前向きでいようとしてもなれない日の方が多くて、そんな自分が嫌になることもありました。安静生活なりの気分転換や、できる範囲の好きなことをしても全然気持ちが晴れないことばかり。

そんな中、主治医の先生が

「妊娠中の経過は関係ないよ。元気な赤ちゃんを産めればそれで100点満点。」

と声をかけてくれました。この言葉にどれだけ救われたことか!

1日いちにち時間が経って、その時間が積み重なって赤ちゃんを無事に産めること自体が、唯一であり本当の妊娠の目標なんですよね。

差はないんだなって。そのことを理解できてからは気持ちが軽くなったし、私ができることを精一杯頑張ろうと思えるようになりました。

入院してから2ヶ月。ずっと泣いてばかりの私でしたが、無事に母親になれました。孤独と不自由のトンネルを抜け、息子に出会えことができました。出産の日までサポートしてくれた夫と私の両親には本当に感謝しています。

出産はゴールじゃないと言われていますが、切迫早産と戦っているママにとっては、出産は間違いなく1つのゴールの形。必ずゴールはやってきます。

拙いブログですが、読んでくれた妊婦さん達の気持ちが、少しでも軽くなることを願っています。

さて…本当に長らくお付き合いいただいた長男妊娠中の記録ですが、この辺で終わりにしたいと思います。

最後までお読みいただき…と思ったのですが、忘れられない産後トラブルがあるので、番外編として掲載して、終わりにします!

宜しければ、お付き合いくださいませ

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